きらきらのてっぺん

たとえいまはふたしかなものでも

26歳のきみへ

26歳のきみも、大好きでした。

 

きみが26歳になって数日後、メールを見て心臓が止まるかと思ったあのZepp単独公演のおしらせ。思えば、26歳のはじまりはそんな幸せに満ちた始まりだった。

 

26歳になって初めての現場は、EXシアターのLove-tune単独公演。正直に言って、たくさんたくさん不安だった。わたしが見たいものと、きみが、きみたちが見せたいものにズレが生じてしまったらどうしようと。わたしは、きみなら何でもいいから全部手放しでついていくよ、なんてせりふは絶対に言えなかった。だから、きみの描くこれからがわたしと異なったらそのときは、きみから距離を置こうと思っていた。……ぜんぶ杞憂だったね。

この、2017年の夏はわたしにとっても忘れられない夏になった。きみが、Love-tuneが、アイドルでありアイドルとしてこれからもわたしたちの前に居てくれることが、証明されたような気がしていた。

きみは言った。黒目がちなその瞳を揺らしながら。「普通のバンドマンじゃできない、普通のアイドルじゃできないところへ行こうとしてます。みんなとなら行けるって確信してます!これからも、ついてきてください!!」

ついてきて、って、きみはいつでもこちらを振り返って、つよく、優しく言ってくれる。その言葉に救われてきた。きみの言うついてきて、の言葉に感じる決意と覚悟を受け止めた。そして、今までついてきてたくさんの幸せを受け取ったことを思い出した。会場を見渡すその姿だけでなんだか泣けてしまうような、夏のせいなのかなんなのかわからない君の力に、わたしもひとつ決意をした。

きみがここまで望むのなら、わたしもきみの大切にするここで未来が見たい。と。

あとそういえばこの夏、きみのかわいいハニー、マチルダちゃんがお披露目された。真っ白な少し大きめのボディにFenderのシール。真新しいショルダーを誇らしげに下げるきみはとってもキュートでポップだったから、もっと彼女と一緒に奏でる音楽を感じたいなぁ。きみはおそらく、すこし苦手なのかもしれないけれど(笑)彼女ばかりになることは望んでいないけれど、彼女を強引なくらい弾きこなすきみもいつか見てみたい。

 

この夏はそんないろいろに並行して、きみはたくさん活躍していたね。映画の撮影で北海道を横断したり。ながーいラジオの生放送があったり。きみだから任された仕事が誇らしかった。映画はことし、きみが27歳になったら公開される予定だし、27歳になるきみを祝福するラジオの仕事があるよ。きみのその、アイドルとしてのマルチさがわたしはすごく好きです。

 

26歳のきみに見せてもらった景色で、一生忘れないのはZeppだ。あんなにその日をそわそわして、現実味がなくそれでも成功させたい強い意志を持ってコンサート会場に行ったのははじめて。10月18日の青い空も、Tシャツを買いにたくさんのひとが集ったのも、入った瞬間のなんとも言い難い期待と緊張と夢心地のような空気も、ぜんぶ覚えてる。何よりきめるところはいつものようにびしっと決めるのに、ときおりふにゃっと浮かれているのを体現するように笑うきみの笑顔が忘れられない!ああ幸せなんだ、それはわたしも幸せだ。あんなにぺらぺらと喋るきみが、言葉が出ないことに驚いてた。驚いてたけど、嬉しそうだった。幸せすぎて胸がいっぱいって顔でみんなと笑ってた。

「次があるかわからないけど、僕らは絶対諦めないし、絶対にこのチャンスをものにします!!次のステップに進んでいきます!!!」

ここでもそうやって宣言してくれたこと、覚えてるよ。その言葉を大切に、大切にしてる。きみがそうやってわたしたちにしてくれる約束は、絶対に裏切られないから。

 

 あともうひとつ。3/25横浜アリーナLove-tune単独公演。なんて、大きな舞台の似合う人たちなんだろうと思った。なんて、作り込まれたステージなんだろう。なんて、こんなにも魅力にあふれているんだろう。なんて、なんて。なんて素敵なんだろう。冒頭からずっと胸が詰まるようで楽しくて切なくてずっと笑って泣いていた。自分たちでもベスト盤のよう、と称していたこのコンサートを、どんな気持ちで表現していたんだろう。

「俺たちとみんなで!せーの!Love-tune!!」

ずっと、ずっと、ずっと。わたしの覚えている範囲では2015年かな?ずーっと、エア銀テープを飛ばしていたけれど、やっと本物の銀テープが飛ばされた。きみは嬉しそうに笑っているかと思いきや、なにかをこらえたような表情をしていたね。「銀テープおまたせ!」そうやって笑うきみは、またひとつわたしたちとの約束を叶えてくれた。いつか本物降らせるから!って宣言してくれていたの、覚えてるよ。

「こんな形で」としきりに言ったきみの負けず嫌いさに痺れた。それでもこんな形でも、やらせてもらえたことに対する感謝とその爪痕は絶大なものだったと思う。きみが見据える前に、未来に、なんの心配もないと思えたこの日。

 

それから、まわりがたくさんの不安に飲み込まれそうになったときも、わたしはまったく大丈夫だった。そりゃあ待遇に不満はあるものの、きみらが現状のままでは見たい未来が見られないと思ったのならそれがすべてだと思うからだ。そしてそのきみらの目指す未来が、わたしの望む未来と近しいものであろうことがわかっているから。それは、26歳のきみに何度も何度も教えてもらった。だからきみが何を選んで他と比べてどうだろうと、わたしの見たいものがある未来への道だと信じられているから本当に、うそでも強がりでもなくまったく大丈夫だった。もちろんすべて委ねるのではなく、わたしが出来ることはしようとは思っているものの。進む道に、懸念はなかった。それがハードな道であればあるほどに、むしろ燃え上がるくらいに。

 

ただひとつ、いやだったのが。きみへ向けられる棘のような毒のような言葉たちだった。その真偽はどうであれ(と、いうより誰にでも言えてしまうような匿名のアレコレに真偽を問うまでのこともないが)わたしは、それを真に受けてきみを好ましく思わない人が増えてしまうことがいやだった。なんなら何を言われるそれがたとえ真実であろうと、わたしたちの目の前に現れるアイドルとしてのきみが今のようにキラキラと輝いているのなら、わたしはそれでいいと思った。あることないことのすべてを受け入れる覚悟を持ったきみだからこそ、今の場所に立てていることは百も承知だけれどそれでも、きみが悪く言われることだけはどうしたって受け入れがたい。

でも、その火の粉の盾にはなれないしそれはちょっと違う気がする。それならそのすべてをかき消すくらいのたくさんの愛をきみに、みんなに届けたい。不安だっていやな言葉だって、耳に入らないくらいに。だってね、きみを好きなひとはそんな毒々しい言葉を吐く人よりも何倍も、何十倍も、何百倍もいるんだ!そして、きみのことを知らない人はその更にいる。その、きみのことを知らない誰かに、わたしは早くきみを知ってもらいたい。好きになってもらいたい!それはきみを応援し始めてからずっと思っていることだけれど、26歳のきみを見ていてさらに強く思ったよ。きみは、愛されるべきだ。

 

27歳のきみが見せてくれる景色はどんなものなんだろう。

きっといまの26歳の君よりも特別で、さらに輝いたものになることは確信してる。だって、たぶんきみがそのつもりだから。26歳のきみを超えるつもりでいるだろうから、わたしはそれを期待してる。

でも、26歳のきみは手強いよ?わたしは、26歳のきみが大好きだ!たっくさんの思い出をもらった。呆れるくらい、きみに夢中だった。そんな26歳のきみを、きっと27歳のきみは超える。新しいなにかを、きみはきっと見せてくれる。出会ったときから、ずっとそうだった。

 

きみの描く未来が、わたしの望む未来であるかぎり。わたしはきみを信じているし、きみを好きでいるでしょう。(もちろんそれは、きみとわたしに相違が生まれたときには情はなくきみと決別する覚悟だって常に持っていることも忘れない上で)

 

26歳の安井謙太郎くんへ。大好きでした。ありがとう。

明日になったら27歳になる安井謙太郎くんへ。一緒に夢を見ていきましょう。未来へ!

 

2018.7.20